自家製ヨーグルトの魅力
ヨーグルトは朝食の定番としてはもちろん、デザートや料理の材料としても幅広く活用できる発酵食品です。
市販のヨーグルトも手軽で美味しいですが、実は自宅でも簡単に作ることができ、しかも自家製ならではの濃厚な味わいと、自分好みの酸味・甘さ調整が可能です。
さらに、原材料がシンプルなので安心で、コストパフォーマンスにも優れています。
例えば、1リットルの牛乳を使えば、スーパーで販売されているヨーグルト数個分の量をまとめて作ることができます。
また、自分で選んだ牛乳や種菌を使うことで、腸活や健康目的に合わせたヨーグルトづくりが可能です。
本記事では、初めてでも失敗しにくい基本のヨーグルト作りから、濃厚なギリシャヨーグルト、フルーツ入りアレンジまで詳しく解説します。
必要な材料と道具
ヨーグルト作りは、とてもシンプルな材料で始められます。
基本的に必要なのは次の2つだけです。
1、牛乳(または豆乳などの植物性ミルク)
成分無調整牛乳がおすすめ。
まろやかな味わいとしっかりした固まりが期待できます。
低脂肪乳や無脂肪乳でも作れますが、コクは控えめになります。
豆乳を使えば、植物性のヨーグルトも可能です。
2、種菌(スターター)
市販の無糖ヨーグルト(プレーンタイプ)でOK。
専用のヨーグルトスターター菌(粉末)も通販などで購入できます。
さらに、以下の道具があると便利です。
ヨーグルトメーカー(発酵温度を一定に保てる)
温度計
清潔な保存容器(耐熱ガラスやプラスチック容器)
泡立て器またはスプーン
ヨーグルト作りの基本工程
1、牛乳を温める(加熱殺菌)
市販の牛乳は基本的に殺菌されていますが、一度60〜70℃程度に温めてから40℃前後に冷ますと、より発酵が安定します。
低温殺菌牛乳の場合は、煮沸により風味が損なわれることがあるので注意してください。
2、種菌を加える
牛乳200mlに対して大さじ1程度のヨーグルトを目安に加えます。
よく混ぜることで、発酵が均一に進みます。
3、発酵
ヨーグルトは40℃前後で6〜10時間発酵させます。
ヨーグルトメーカーがある場合は設定温度と時間を調整するだけ。
ない場合は、炊飯器の保温機能や魔法瓶、毛布などで温度をキープします。
4、冷却と熟成
発酵が終わったら、冷蔵庫で数時間冷やします。
冷やすことで固まりが安定し、酸味がまろやかになります。

発酵のコツと失敗しないためのポイント
1、温度管理が命
40℃前後がもっとも適した温度帯。
高すぎると菌が死んでしまい、低すぎると発酵が進みません。
2、雑菌の混入を防ぐ
容器やスプーンは熱湯消毒しておくと、カビや変質を防げます。
種菌の量を増やせば早く固まるわけではない
多すぎると逆に酸味が強くなったり、滑らかさが損なわれることがあります。
3、発酵時間で味が変わる
短時間(6時間程度):まろやかで甘みが残る
長時間(10時間以上):酸味が強く、さっぱりした味わいに
濃厚な水切りヨーグルトの作り方
ヨーグルトを一歩進化させた「ギリシャヨーグルト」も、自宅で簡単に作れます。
手順
1、出来上がったヨーグルトをガーゼやキッチンペーパーを敷いたザルに入れる。
2、ボウルを下に置き、冷蔵庫で2〜3時間放置。
3、水分(ホエイ)が抜けて、濃厚でクリーミーなヨーグルトに変身。
この水切りヨーグルトは、チーズケーキ風デザートや、サワークリームの代わりにも使えます。
アレンジレシピ
フルーツヨーグルト
季節の果物(バナナ、ブルーベリー、キウイなど)とハチミツを加えるだけで、朝食に最適な一皿になります。
塩ヨーグルト
塩をひとつまみ加えたヨーグルトは、サラダや肉料理のソースにぴったり。
スムージー
ヨーグルトとフルーツ、牛乳または豆乳をミキサーにかけると、栄養満点のスムージーが完成します。

保存方法と日持ち
自家製ヨーグルトは冷蔵で5〜7日が目安です。それ以上保存すると酸味が強くなったり、風味が落ちることがあります。
長期保存したい場合は冷凍も可能ですが、解凍後は食感が変わることがあります。
また、自家製ヨーグルトを次回の種菌として使う「継ぎ足し発酵」も可能ですが、3〜4回程度までが目安です。
それ以上繰り返すと菌の力が弱まり、固まりにくくなります。
トラブルシューティング
・固まらない場合
温度が低すぎる
種菌の菌が弱っている
発酵時間が短すぎる
・酸味が強すぎる場合
発酵時間を短くする
種菌を新しくする
・カビが生えた場合
衛生管理の不十分さが原因。
残念ながら食べずに廃棄しましょう。
まとめ
自家製ヨーグルトは、「シンプルな材料」×「適切な温度」×「清潔な環境」が成功の鍵です。
最初は市販のプレーンヨーグルトを種菌に使い、慣れてきたらギリシャヨーグルトや豆乳ヨーグルトなどにも挑戦してみましょう。
発酵食品は腸内環境を整え、免疫力や美肌効果も期待できるため、日々の食生活に取り入れる価値があります。
